予防歯科

いまからでも“予防歯科”を始めよう!

リタイア前にやっておけばよかったと 後悔していること

「歯の定期検診を受けていればよかった」

という内容が、なんと1位になっています。
これはなぜでしょうか。

55~59歳
1スポーツなどで体を鍛えればよかった
2日頃からよく歩けばよかった
3歯の定期検診を受ければよかった
4腹八分目を守り、暴飲暴食をしなければよかった
8肌の手入れをすればよかった

70歳以上と比べて目立つのは、スポーツをする、肌の手入れをするなど。体調よりも容姿を気にしている点。まだまだ体の衰えは感じていないということか。

70~74歳
1歯の定期検診を受ければよかった
2日頃からよく歩けばよかった
3スポーツなどで体を鍛えればよかった
8なんでも相談できる医師を見つけておけばよかった
17地域の福祉サービスについて学んでおけばよかった

歯の後悔はこの層がダントツ。やはり年齢を重ねるほどに、歯の問題は深刻になっているようだ。福祉サービスが17位と、介護について真剣に悩み始めるのもこの層。

それは、リタイヤして、
「さぁ、残された人生を楽しもう!」
と思った時に、
「歯がない」
という現実に直面するからです。

日本と欧米の、 歳をとった時の残存歯数の違い。

旅行や食事を楽しもうにも、歯が無ければ、食事を楽しむことはできません。入れ歯になってしまっては、痛くて食べるものも減ってしまいます。日本人の80歳のときの残在歯の数は、たったの10本程度といわれています。50歳を超えた日本人の半分以上、また75歳を超えると6割~7割程度が入れ歯に頼っていると言われています。これに対し、欧米人の残存歯数は、
日本の倍程度(20本程度)の本数が残っているといわれています。この違いは一体何に起因しているのでしょうか。

お口の健康の秘訣は 「メインテナンス」にあり。

実は、日本人と欧米人では、予防歯科に対する概念が大きく違います。日本では「痛くなったら歯医者へ行く」という考え方ですが、欧米では「痛くなる前に予防のために歯医者へ行く」という考え方なのです。1ヵ月~3ヵ月に1回、歯科医院にメインテナンスに行くことが、最悪の結果を防ぐために、非常に重要となってくるのです。まさに明暗を分けると言っても過言ではないでしょう。

どのようなメカニズムで 歯を失ってしまうのでしょうか

日本人の80%がなっているとも言われている歯周病。日本人の歯を失う原因の1位である歯周病。では、どのようなメカニズムで歯を失ってしまうのでしょうか。

歯周病菌は、歯周ポケットの中のより深くへ深くへと、空気の薄い場所を求めて入り込んでいき、歯を支える骨を毒素により溶かしてしまいます。その結果、歯はグラグラになり、ついには抜け落ちてしまうのです。

  • 【歯肉炎】

    歯石が歯垢がたまり始め、歯肉(歯ぐき)が赤くはれています。歯磨きのときの出血も出てきます。

  • 【初期歯周炎】

    見た目は歯肉炎と変わりませんが、腫れも大きくなり、骨も溶け始めています。

  • 【中等度歯周炎】

    骨が溶け、歯が動き始めます。歯肉も赤く晴れ上がり、口臭・出血・不快感が出てきます。

  • 【重度歯周炎】

    歯肉は可能し、真っ赤です。歯根も歯石で覆われています。すでに歯を支えるのも困難になっています。

歯周病は全身疾患(死の病)とも 密接なつながりを持っています

歯周病菌は、血管の中に入り込み、全身を駆け巡り、糖尿病や心臓病などの原因になることがわかってきています。また、肺に入り込むと誤嚥性肺炎を引き起こすこともあります。このことからも、常に口腔内の環境を、歯科医院でのメインテナンスで整えておくことがいかに大切かがわかります。

  • 認知症

    歯周病予防による動脈硬化のリスクの低減が認知症の予防になります。

  • 肥満

    あまり食べなくても太りやすい体質は歯周病菌が肝臓と脂肪組織い脂肪を沈着させることが原因なのです。

  • 歯周病により癌のリスクが高まる可能性があります。

  • 虚血性心疾患

    血液で心臓に選ばれた歯周病菌が血管に血栓を形成することでリスクが高まります。

  • インフルエンザ

    歯周病菌の産生する内毒素により、ウイルスに感染しやすくなります。

  • 心内膜炎

    心臓の弁に歯周病菌が感染して起こることがあります。

  • 誤嚥性肺炎

    誤嚥によって歯周病菌が肺に入り、肺炎を引き起こします。

  • 心筋梗塞

    心筋梗塞で亡くなられた方の環状動脈から歯周病原菌が検出されたなどという報告があります。

  • 関節性リウマチ

    歯周病治療により、関節リウマチの症状が改善した報告があります。

  • 動脈硬化症

    血管内壁が厚くなって血液が正常に流れなくなり、血栓ができます。患部から歯周病菌が検出されます。

  • 早期低体重児出産

    歯周病菌の炎症により出産される物質が、胎児の早産や低体重児出産のリスクを高めます。

  • 骨粗鬆症

    骨粗鬆症の患者は歯周病にかかりやすく、重症化する傾向にあります。

  • エイズ

    歯周病菌がHIVを活性化させ、エイズ発症につながる可能性がある。

  • 糖尿病

    糖尿病の第6番目の合併症と言われており、発病・重篤化した歯周病が慢性炎症としてⅡ型糖尿病を悪化させます。

  • バージャー病

    患部の血管の大部分から歯周病菌が検出されています。

歯周病は早産のリスクがあります。

正常な分娩時でも、「プロスタグランジン」が分泌され、子宮筋を収縮させます。※陣痛促進剤としてプロスタグランジンが使用されていますが、過剰投与による子宮や胎児への悪影響が大きいため、適正使用が必要とされています。

歯周病の原因菌と考えられているグラム陰性菌がつくりだす内毒素(リポ多糖=LPS)などに対し、炎症性細胞が増加し、これらがつくりだす「サイトカイン」のうち、「プロスタグランジンE2(PGE2)」、「腫瘍壊死因子-α (TNF-α)」などのレベルが血液中で上昇することで、胎児の成長に影響を与えたり、子宮筋を収縮させ、早産を引き起こすと考えられています。

歯周病は 家族に感染するリスクがあります。

家族の歯周病菌を調べてみると、夫婦の間で、口腔内に同じような歯周病菌が見られることが多いことから、家族間で感染し合っていることが分かります。歯周病の治療に取り組んでも、家族間で感染し合っていては元も子もありません。大切な家族を歯周病から守るためには、ご家族みんなで治療を受けることをおすすめします。